紫陽花(アジサイ)コンペイトウの育て方完全ガイド【あなたの庭に彩りを!】

園芸・ガーデニング

紫陽花(アジサイ)「コンペイトウ」は華やかな八重咲きで庭を彩る人気品種です。ですが育て方のポイントを押さえないと、花が咲かない・枯れるなどのトラブルも起こりがちです。
本記事では、コンペイトウの特徴や適した環境、鉢植え・庭植えごとの育て方まで、最新情報に基づいて解説します。美しい花を咲かせる秘訣をマスターし、あなたの庭に彩りを添えましょう。

目次

紫陽花(アジサイ)コンペイトウの育て方基本ガイド

紫陽花(アジサイ)の「コンペイトウ」は八重咲きの珍しい品種で、初心者にも人気があります。育て始める前には、基本的なポイントを知っておくことが大切です。
コンペイトウは湿り気のある用土を好みますが、根腐れを起こさないよう排水対策も必要です。適切な用土を選び、鉢や植え付け場所を準備しましょう。

植え付け時期は春 (3~5月) が最適です。新しい根が生える前に余裕を持って植え付け、安定させることがポイントです。最初の数週間は土の表面が乾いたらたっぷり水やりを行い、順調な生育を促しましょう。

初心者にもわかるコンペイトウの特徴

コンペイトウは静岡県掛川市の加茂花菖蒲園で改良された品種で、花は八重咲きのガクアジサイです。約10枚前後の花弁が中心部を囲むように咲く華やかな姿が特徴で、花色は白地に鮮やかな縁取りが入ります。花期は初夏 (6月~7月) で、満開時には丸くボリューム感のある花房を形成します。
枝葉もやや大きめで茎がしっかりしており、枝全体を支えやすいのが利点です。初心者の方でも比較的育てやすい丈夫さがあり、庭植えでも鉢植えでも美しい花を楽しめます。

名前の由来は、まるで砂糖菓子の金平糖(こんぺいとう)に似た愛らしい花形から来ています。その可愛らしさがガーデニング愛好家に人気で、八重咲きの豪華さと相まって注目されています。

植え付け時期と初期のケア

植え付けは春 (3~5月) が適期で、気温が安定し始めた頃に行います。新苗や移植では、なるべく大きな鉢や十分に掘った庭の植え穴に植え、根が広がるスペースを確保しましょう。植え替え直後は根が安定していないため水切れしやすいので、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを行います。
最初のうちは直射日光ではなく半日陰の場所で管理し、生育に適した環境を整えます。初期成長期は株が水分と栄養を多く必要とするので、土が乾きすぎないようこまめにチェックしましょう。

年間を通した管理フロー

春は新芽が伸び花芽が形成される時期です。新芽の立ち上がりを助けるため、適度な日当たりと水分を与えます。虫や病気の予防も念頭に、風通しを意識してください。梅雨から夏にかけては生育旺盛期で、土が乾燥しやすくなるのでこまめに水やりします。腐葉土を軽く敷くなどして適度な湿度を保ちます。

秋は花後の剪定を行い、次の春に向けて株を整えます。花を切り落とした後は、枝葉を減らして風通しを良くし、株のエネルギーを根に貯めます。冬は休眠期なので落葉後に風当たりの強い場所を避け、寒風や凍結から株を守ります。地植えの場合は株元にマルチングを施して根を保温すると安心です。

紫陽花(アジサイ)コンペイトウの特徴と魅力

紫陽花「コンペイトウ」はその独特な見た目が魅力的な品種です。ここではコンペイトウならではの華やかな花姿や花色、他品種との違いなど、特徴と魅力について紹介します。

八重咲きの華やかな花

コンペイトウの最大の魅力は、豪華な八重咲きの花姿です。花径の大きな両性花や装飾花が重なり合い、10枚前後の花弁が球形に咲き誇ります。通常のガクアジサイ品種と比べて花びらのボリューム感があり、遠くから見ても存在感があります。
枝や茎はしっかりしているため、重い花房をしっかり支えられます。枝を支柱で固定せずとも安定して立つことが多く、鉢植えでも見栄えが良い形状に育ちます。

白覆輪の花色と種類

コンペイトウの花色は基本的に白地に淡い縁取りの覆輪で、爽やかで清楚な印象です。品種改良により青みが強い「コンペイトウブルー」という変種もありますが、基本の白系統のコンペイトウは土壌の影響を受けにくいのが特徴です。
一般的に紫陽花は土の酸度で青~赤色に変わりますが、白覆輪の花は中性でも酸性でも色が大きく変わらないため、肥料や土壌管理で色味を調整しやすいという特徴があります。青色を強めたい場合は、酸性になるようピートモスや硫酸アルミニウムを与えることでやや青味が増し、バラ色を穏やかにしたい場合は中性~アルカリ性の土壌に調整すると良いでしょう。

ダンスパーティとの違い

コンペイトウとよく混同される品種に「ダンスパーティ」があります。どちらも八重咲きで華やかな花を咲かせますが、コンペイトウは花びらが丸く太めで白覆輪なのに対し、ダンスパーティは青紫系の花色が多く、花弁がやや細長く大きな花房を作ることがあります。ダンスパーティは株が大型で葉も大きめなので、植えるスペースに余裕がある場合はこちらも選択肢になります。育て方の基本は共通していますが、好みの花色や樹形で選ぶとよいでしょう。

耐寒性と生育特性

コンペイトウは落葉性のガクアジサイ系品種で、一般的な紫陽花と同程度の耐寒性があります。冬季は落葉して休眠期に入り、-5℃~-10℃程度の寒さには十分耐えます。寒風対策には株元に敷き藁や防寒シートで軽く覆うと安心です。
春先にはしっかりとした新芽が伸び、生育を始めます。生育期はとくに生長が早いので、適度な水と肥料を与えると、緑葉が茂りつつ次々と新枝が伸びていきます。鉢植えの場合は根詰まりしやすいので春前に植え替えすると良く、庭植えの場合は根が伸びやすいよう深めの土壌を用意すると根張りが良くなります。

紫陽花(アジサイ)コンペイトウに適した環境と置き場所

紫陽花(アジサイ)コンペイトウは日当たりと風通しの良い場所を好みます。特に春から夏は成長スピードが速くなるので、光と水分のバランスを調整することが大切です。ここでは、コンペイトウが快適に育つ環境条件について解説します。

日当たりの好み

コンペイトウは明るい日光を好みますが、真夏の直射日光は葉焼けや乾燥の原因となるため避けます。通年で朝日や弱い午後の日光が当たる場所が理想的で、半日以上は日射しを確保しましょう。特に梅雨明けから夏にかけて強い西日が当たる場所は、遮光ネットや簾で光を和らげると日焼けを防げます。日陰すぎると花付きが悪くなるため、ほどよく日光が入る場所がおすすめです。

温度と湿度の管理

コンペイトウは湿度の高い環境を好みますが、根元が過湿になると根腐れの原因になります。夏場は特に蒸れないように風通しを確保し、鉢植えなら底に砂利を敷いて排水を良くしておきます。湿度が不足するとハダニなどの害虫が付きやすいので、乾燥しがちな夏は葉面に霧吹きで水を与えるのも効果的です。
冬は休眠期です。当品種は比較的寒さに強いですが、霜や凍結で根が乾かないよう注意が必要です。鉢植えは室内や軒下に移動し、庭植えでは株元を藁などで覆って地温を保ちましょう。

夏越しと冬越しのポイント

夏季は長い日照と高温に晒されるため、遮光と水管理が重要です。鉢植えでは午前中だけ日に当てる場所に移すか日除けシートを使い、葉水で湿度を上げると元気を保ちます。庭植えでは株元にマルチングやバークを敷いて保湿すると土中の水分が維持できます。
冬季は落葉後の休眠期間です。落葉したら不要な枝や枯れ枝を剪定し、株を風や冷気から守ります。鉢植えは室内や保温できる場所に移動し、庭植えは株元を腐葉土でマルチングして寒さ対策をしましょう。これらを守れば、春に元気な新芽が確実に芽吹いてきます。

紫陽花(アジサイ)コンペイトウの鉢植え栽培のポイント

コンペイトウを鉢植えで育てる場合は用土の管理と置き場所に注意しましょう。鉢植えでは根が限られるため、土の状態を頻繁に確認し、水やりのタイミングや固形肥料の追加ペースを調整します。ここでは鉢植え特有のポイントを解説します。

鉢の選び方と植え替え

鉢植えでは根が広がるスペース確保が重要です。根詰まりした場合は一回り大きめの鉢に植え替えましょう。穴の開いた通気性の良いテラコッタ鉢やプラスチック鉢が適しています。植え替えは春か秋に行い、根鉢を軽くほぐして古い根や枯れ葉を取り除き、新しい培養土で植え替えます。
コンペイトウは茎がしっかりして大きく育つため、鉢は植え付け時に余裕のあるサイズを選びます。浅い鉢よりも深さのある鉢を使うと底まで根が伸び、安定した生育を促すことができます。

水はけと水やりのポイント

鉢植えでは水はけを良くすることが大切です。市販の紫陽花用培養土にパーライトや軽石を混ぜ、水はけを改善しましょう。水やりは土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与え、余分な水はけを十分に抜いてあげます。鉢植えは地植えよりも乾きやすいので、夏場は毎朝乾き具合をチェックして必要に応じて水を与えます。
水やりは午前中に行うのが理想です。夕方に与えると鉢内の湿度が高いまま夜を迎え、根腐れのリスクが高まります。鉢底から漏れる水を確認して十分に浸透させ、根が吸いやすい状態にしましょう。

鉢の管理で気をつけること

鉢植えのコンペイトウを屋外に置く場合、雨ざらしにすると土が過湿になり根腐れしやすくなります。強い風雨から守る軒下や屋根のある場所が適しています。夏は土が乾燥しやすいので、鉢の下に断水シートを敷くか敷き藁で保湿するとよいでしょう。
冬場は凍結を避けるため室内や物置に取り込むか、鉢を壁際など凍害の少ない場所に置きます。また鉢植えでは土量が限られるので、秋~春にかけて緩効性肥料や液体肥料で定期的に栄養補給しましょう。4月~5月の芽出し時期に元肥、6月開花前と開花後にも追肥を与えると元気な花を咲かせやすくなります。

紫陽花(アジサイ)コンペイトウの地植え栽培のポイント

庭に地植えする場合は、植え付け条件と土壌改良が重要です。コンペイトウを長期的に育てる際には、大きく育つ根株のスペースを確保し、排水性と保水性をバランス良く整えましょう。

植え付け時期と植え穴の準備

地植えの植え付けは、春 (3~5月) または秋 (10~11月) に行うのが最適です。落葉前後に植えることで根がしっかり張りやすくなります。植え穴は株より2~3回り大きく掘り、穴底には腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおきます。
底土が重い粘土質の場合は、砂や軽石を混ぜて水はけを良くしつつ、有機質を加えて保水性も高めておくと安心です。植え付け直後は水はけに注意し、しばらくは乾かないようこまめに水を与えて新根の立ち上がりを促します。

水はけのよい土作り

地植えでは土壌の水はけがポイントです。傾斜地や盛り土に植えて排水を良くしておくか、植え付け前に砂利や鹿沼土を混ぜて水はけの良いポット土を作りましょう。根が常に湿った状態だと根腐れリスクが高まります。土の改良が難しい場合は、鉢上げや株高めの盛り土で対策すると改善できます。

支柱や支えの設置

地植えではコンペイトウの花房が大きく重くなるので、風や雨で倒れないよう支柱を立てておくと安心です。直立する枝には苦くない麻紐やトライテープで優しく固定します。花後の剪定で株をコンパクトにしておくと倒れにくくなります。特に豪雨や強風が予想される場合は、事前に支柱で株を支えておくと被害を抑えられます。

庭植えでの注意点

地植えは鉢に比べて安定しますが、乾燥しやすい場所や風通しの悪い隅ではトラブルが起こりやすくなります。植え付け場所は日当たりと通風の良い場所を選びましょう。根が十分に張れるよう、植栄えの周りにはスペースを確保します。
植える際は株の周りに50cm以上の余裕を持って他の植物と距離を取り、のびのび育てます。植え付け後半年はとくに乾燥に気をつけ、敷き藁で湿度を保つと根張りが良くなります。不要な草や枯葉は根元に溜めず、こまめに取り除いて病害虫の温床を防ぎましょう。

紫陽花(アジサイ)コンペイトウに適した用土と肥料

コンペイトウを健康に育て、美しい開花を得るには適した用土選びと肥料施用が重要です。水はけと保水性を両立させる土壌と、適切な栄養補給のポイントを解説します。

おすすめの用土の配合

コンペイトウに適した用土は、赤玉土や腐葉土をベースにしたものです。例えば赤玉土(中粒)2:腐葉土2:鹿沼土1の割合で混ぜると、適度な保水性と排水性が得られます。市販の紫陽花用培養土に温度 愛モノや軽石を加えて通気性を高めるのも効果的です。
鉢植えの場合はさらにパーライトや軽石を足し、根が蒸れないようにします。植え付け時には元肥として骨粉入りの緩効性肥料(マグァンプKなど)を用土に混ぜ込んでおくと、根の生長を助けます。

土のpHと花色の関係

ハイドランジア(アジサイ)は土壌の酸性度によって花色が変わります。コンペイトウの基本色は白系ですが、一般には酸性土壌では青みが増し、アルカリ性土壌では赤みが強くなる傾向があります。青系の花色を出したい場合は、土を酸性に保つためにピートモスを混ぜたり、硫酸アルミニウムを施してアルミニウムを補給します。逆に赤系統を好む場合は石灰で土壌を弱アルカリ性にします。
白覆輪の花は酸性度の影響を受けにくいですが、明るい花色を保つには土壌を適度に酸性に保ち養分を与えることが大切です。特にピートや腐葉土を使った酸性土壌では特徴的な青白い縁取りが際立ちます。

適切な肥料の種類と施し方

コンペイトウの開花を助ける肥料は、有機質の緩効性固形肥料や液体肥料が適しています。春 (3~4月) に元肥として骨粉を含む有機肥料を与え、6月の開花前や花後の秋 (10月) には追肥を行います。開花後はお礼肥(おれいご)として、少量のリン酸入り肥料を与えると翌年の花芽形成に良い影響を与えます。
一方、窒素分が多い肥料を使いすぎると葉ばかり茂って花つきが悪くなるので注意が必要です。「10-10-10」などのバランス型肥料か、花重視なら「8-20-6」のようなリン酸多めの肥料を使いましょう。肥料袋の指示に従い、薄めに与えることを心がけてください。

追肥のタイミング

追肥は生育期を中心に年2~3回程度行います。具体的には春(4~5月)の芽吹き時、開花前の初夏(6月)、お礼肥として花後の秋に施すのが理想です。とくに春先と開花前にしっかり栄養を与えると、夏に大きな花が期待できます。
液体肥料を選ぶ場合、メーカー推奨の薄め倍率で月に1〜2回与えます。暑さで株が疲れやすい真夏や休眠期の冬は肥料を控えめにし、株を休眠へ導くようにします。

紫陽花(アジサイ)コンペイトウの剪定方法

紫陽花は剪定の仕方とタイミングが花つきに大きく影響します。コンペイトウも例外ではなく、計画的に剪定を行うことで毎年良い花を咲かせます。ここでは剪定の基本知識を解説します。

剪定の時期と基本

コンペイトウの剪定は、花後(夏)と冬(休眠期)の2回が基本です。花が終わったらすぐに枯れた花房を切り落とし、その後伸びた枝の先端を軽く整理します。夏の剪定では花を丸坊主にせず、必ず葉を数枚残しておくのがポイントです。
冬(11月以降)には落葉後に剪定し、古い枝や混み合った枝を間引いて風通しを良くします。ただし紫陽花は前年に伸びた枝に花芽が付く性質があるため、冬剪定で枝を切り詰めすぎると花芽を減らしてしまいます。間引き剪定は行いますが、花芽の位置を確認して慎重に剪定しましょう。

適した剪定方法(短尺剪定 vs 長尺)

剪定方法には短尺剪定と長尺剪定があります。短尺剪定では前年度に伸びた枝を半分ほどカットすることで株をコンパクトに保ち、枝の密集を防ぎます。一方、長尺剪定は枝をほどほどに残し、株を大きくして多数の花を咲かせる方法です。
コンペイトウの場合は花房が重くなりやすいので、短尺剪定で古い枝を落とし新しい枝を伸ばす方法がおすすめです。剪定する際は枝を斜め45度に切り、雨水が溜まらないようにしておくと枝先が腐りにくくなります。

剪定後のケアと注意点

剪定後は切り口から水分蒸散が増えるため、土の乾燥に注意してください。剪定後すぐは葉が少なく水分が飛びやすいので、土が乾かないよう水やりをこまめに行いましょう。また、剪定用具は清潔にして病原菌を持ち込まないことが大切です。切り口に園芸用石灰硫黄合剤を塗ると感染防止になります。
さらに、剪定のタイミングが早すぎると花芽を落としてしまうので、花が咲き終わった後(梅雨明け頃)に剪定するのが安全です。冬の剪定は必ず落葉後に行い、それ以降は春まで剪定を控えます。

紫陽花(アジサイ)コンペイトウの病害虫対策

病気や害虫被害は早期発見が大切です。コンペイトウは乾燥や多湿など環境変化に敏感なので、定期的に株をチェックして葉や茎に異常がないか確認しましょう。以下では代表的なトラブルとその抑え方をご紹介します。

発生しやすい病気の症状と対策

コンペイトウに多い病気は粉状のうどんこ病や斑点細菌病(黒星病)、根腐れを起こす軟腐病などです。うどんこ病は新葉に白い粉がついたような斑点が出ます。風通しを良くし、発生初期には葉水で洗い流すか薬剤散布で抑えます。一方、黒星病は葉に丸い茶色い斑点ができる病気です。感染した葉は早めに摘み取り、周囲の枝葉も剪定して日光を当てると進行を防げます。
根腐れ病は用土の排水不良が引き金です。土が常に水浸しになりやすい場所では砂利で排水を改善するか、鉢植えなら植え替えで新しい用土に交換して対処しましょう。病気予防には定期的に土を交換し、剪定時に用具を消毒するなどの対策も効果的です。

  • うどんこ病:葉に白い粉が付いたように見えます。日当たり・風通しを良くし、発病初期に薬剤散布か葉水で予防・治療します。
  • 黒星病:葉の裏に黒っぽい斑点が現れます。感染葉は取り除き、風通しを良くすることで被害拡大を防ぎます。
  • 根腐れ病:過剰な水分で根が腐ります。排水と通気性の良い用土に替え、土壌消毒で病原菌を抑えます。

よくつく害虫の予防と駆除

コンペイトウにはアブラムシやハダニ、カイガラムシ、小型のナメクジなどが付くことがあります。これらは新芽やつぼみに集まりやすいので、葉裏まで定期的に点検しましょう。
アブラムシは水で吹き飛ばすか殺虫剤で駆除します。ハダニは乾燥を好むため、葉水などで湿度を上げると抑制できます。カイガラムシは殻の下にいるので歯ブラシでこすり落とすか、専用スプレーで防除します。

  • アブラムシ:春~夏に枝先に群生し、葉を縮れさせます。見つけたらまず水で洗い流し、ひどい場合は市販の粒剤や薬剤で駆除します。
  • ハダニ:葉に小さな白斑ができ、極端に乾燥すると発生します。霧吹きで葉面に水をかけて湿度を保ち、必要に応じて薬剤散布します。
  • カミキリムシの幼虫:太い幹に穴を開けることがあります。穴を見つけたら早急に幼虫を取り除き、被害部分は切り落として処理します。

予防管理の仕方(環境改善)

病害虫を防ぐためには、まず健全な環境を整えましょう。風通しを良くし、湿度を適度に下げることで多湿病害を予防できます。地植えの場合は敷き藁などで湿度調節し、鉢植えでは下部の排水を充分にして過湿を防止します。
株同士の間隔を広く取り、日当たりと通気性を確保することも重要です。また、植え付け前には腐葉土や堆肥で土を清潔にしておき、病原菌の持ち込みを抑えましょう。摘み葉や病葉はこまめに取り除き、発生を最小限に抑えることが早期対策につながります。

紫陽花(アジサイ)コンペイトウの増やし方

コンペイトウは挿し木や株分けで簡単に増やせます。初心者にも取り組みやすい方法と、成功率を上げるポイントを紹介します。

挿し木による増やし方

挿し木は春~夏 (4~6月) に行うと成功しやすいです。元気な新しい枝を15~20cmほどカットし、下葉を取り除いて挿し木用の培養土に挿します。挿した後は土が乾かないように管理し、直射日光を避けて明るい半日陰で育てましょう。数週間で根が出始めるので、根がしっかり張ってきたら鉢上げして通常管理に移行します。元気な枝を使うほど発根率が高まります。

株分けや取り木の方法

大きく育った株は冬 (2~3月) に掘り上げて株分けすることができます。塊根(球根状の根)をナイフで切り分け、それぞれを新しい場所に植え付けます。取り木は剪定した枝を人工的に地中に埋める方法です。枝の一部を埋めておくとそこから根が出るので、新芽がしっかり伸びる頃合いに親株から切り分けます。どちらも確実に親株と同じ色の花を咲かせる増殖法です。

増やし方での注意点

挿し木や株分け時は切り口から病原菌が入らないよう、必ず清潔な刃具を使いましょう。また、増やした株は最初根が弱いため、乾燥させないように注意します。特に挿し木は発根前に水切れさせると失敗しやすいので、土の湿り具合を密にチェックしてください。根が出るまでは強い肥料は与えず、発根後に通常の栽培管理に戻します。

紫陽花(アジサイ)コンペイトウのトラブル対策

どんなに注意深く育てていても、植物には思わぬトラブルが発生することがあります。ここでは“咲かない”“葉が枯れる”などのよくある悩みの原因と、その解決策をまとめておきます。

花が咲かない原因と解決法

コンペイトウが花を付けない場合、一番多い原因は日照不足です。あまり日が当たらないと花芽がつきづらいので、なるべく半日以上日光に当たる場所に移動してみましょう。また、窒素肥料を多く与えすぎると葉ばかり茂って花が咲きません。花を咲かせるにはリン酸成分の多い肥料に切り替え、花芽の形成を促すようにしてください。
剪定によって花芽を落としてしまうこともあります。春先に芽吹いた枝には翌年の花芽が付くので、剪定は花が終わってから行い、芽を残して剪定するよう心がけてください。

葉が黄変・落葉する原因と対策

葉が黄色くなる・落ちる原因は大きく分けて水分不足、過湿、肥料不足の3つです。乾燥が続くと葉が茶色く変色したり枯れたりするので、夏場は水切れに敏感になりましょう。逆に土が常に水浸しだと根が十分に呼吸できず、葉に症状が出ます。
適度な水分管理をしつつ、土中の肥料分が不足している場合はマグネシウムや鉄分など微量要素を含む肥料を与えると緑色が戻ることがあります。病気や害虫の被害で葉が落ちるケースもあるので、不自然に斑点や虫食いが見つかったら直ちに対処してください。

水やり不足・過度による問題

水やりの失敗はコンペイトウを弱らせる大きな原因です。鉢植えの場合は土の乾きが早いので、特に夏は毎日観察しましょう。水切れが続くと葉がしおれて回復困難になる上、開花にも影響します。
逆に水を与えすぎると根腐れの原因になります。鉢植えでは与えすぎた水が鉢底から抜けるよう排水を確保し、鉢底に水が溜まらないようにしましょう。特に粘土質の土だと過湿になるので、通気性の良い土に植え替えて管理します。

その他よくある悩みとその対処

葉が小さい・花房が小さいなどの原因としては、株の未熟さや根の健康状態が考えられます。植え替えから間もない新苗は、無理に花を咲かせないで株の生育を優先し、次の年に向けてしっかり養生しましょう。また、肥料を減らしすぎると花が小さくなるので、適量の追肥を行います。
一晩で葉が全体的に茶色くなるような急激な変色は、気温の急変や直射日光による日焼けなども疑われます。暑い日が続く場合は遮光ネットを利用し、また突然の寒さ対策に霜よけを施すようにしましょう。常に株を観察し、些細な変化にも早めに対応することが育成成功への鍵です。

まとめ

紫陽花「コンペイトウ」は八重咲きで華やかな花姿が特長ですが、元気に育てるには適切な環境づくりが不可欠です。日当たりと排水に配慮し、鉢植えならこまめな水やりと植え替え、庭植えなら油粕や腐葉土をしっかり混ぜた土づくりを行いましょう。剪定や肥料、水やりのコツを押さえ、葉の色や病害虫へのケアも続けることで、毎年美しい花を楽しめます。
これらのポイントを抑えて栽培管理すれば、最新の園芸情報に基づいた適切な育成法でコンペイトウは健やかに育ち、あなたの庭に豊かな彩りを与えてくれることでしょう。

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