グレビレアは、繊細な葉と個性的な花姿が魅力のオーストラリア原産の花木です。最近は庭木や低木のボーダー植栽として人気が高まり、苗の流通も増えています。
一方で、乾燥気味を好む点や、寒さへの耐性など、日本の四季との相性を理解しないと失敗しやすい植物でもあります。
この記事では、グレビレアの代表的な種類の特徴と、地植えで長く楽しむための育て方を、最新の知見を踏まえて分かりやすく解説します。庭づくりの参考にしてください。
目次
グレビレア 種類 育て方 地植えの基本ポイント
グレビレアを地植えで育てる場合、まず押さえておきたいのが原産地の環境と日本の気候とのギャップです。多くのグレビレアはオーストラリアの乾燥した地域や、排水の良い痩せ地に自生しており、過湿と重い粘土質土壌を苦手とします。
そのため、日本での地植えでは、土の水はけ確保と冬の寒さ対策が特に重要になります。種類によって耐寒性や樹高、開花期がかなり違うため、品種選びも成功の決め手になります。
また、グレビレアはリン酸過多を嫌う特性があり、一般的な草花向け肥料を多用すると根を傷める場合があります。この点を理解し、肥料は控えめか、低リン酸タイプを選ぶことが大切です。
ここでは、まず地植えに向く代表的な種類の傾向と、日当たり・風通し・水やり・土づくりといった育て方の基本的な考え方を整理し、後の章で具体的な手順や管理方法を詳しく解説していきます。
グレビレアとはどんな植物か
グレビレアはヤマモガシ科に属する常緑低木から高木までを含むグループで、原産地は主にオーストラリア、一部ニュージーランドやニューカレドニアなどに分布します。知られている種は300種以上あり、野生種に加えて園芸用の交配品種も多数存在します。
葉は細かく切れ込むシダのようなタイプから、広葉樹のようなものまで多様で、樹姿もこんもりとまとまるコンパクトタイプから、数メートルに達する樹木タイプまで幅広いのが特徴です。
花はクモの脚のように湾曲した細い管が集まった形をしており、赤、ピンク、オレンジ、黄色、白など色彩も豊富です。花期も品種によって異なりますが、秋から春にかけて長く楽しめるものが多く、庭の端境期を彩る貴重な存在です。
常緑性で乾燥と高温に強いことから、ロックガーデンやドライガーデン、オージープランツをテーマにしたナチュラルガーデンに適した植物として注目されています。
地植え向き品種と鉢植え向き品種の違い
グレビレアには地植えで大きく育てて主木に向く品種と、鉢植えや小スペースでも扱いやすいコンパクトな品種があります。地植え向きは一般に耐寒性が比較的高く、樹勢が強くてよく伸びるタイプです。一方、鉢向きは樹高が抑えめで、剪定により形を整えやすい品種が多くなります。
また、葉が細かい品種ほど乾燥や日差しに強い傾向があり、地植えにしたときに蒸れにくいメリットがあります。
地植えを前提とする場合は、最終樹高や幅を確認し、庭のスペースと周囲の植栽計画に合うものを選ぶことが重要です。低木タイプでも放任すると1.5〜2メートル近くになる品種もあるため、事前の情報収集は欠かせません。
一方で、寒冷地では本来地植え向きの品種でも、冬の防寒管理をしやすい鉢植え管理が向く場合があります。地域の最低気温と相談しながら、地植えか鉢植えかを決める視点も大切です。
日本の庭で育てる際のメリットと注意点
グレビレアを日本の庭に取り入れるメリットは、まず独特の花形とシルバーグリーンの葉色による高い観賞価値です。他の庭木には少ない質感を持っているため、一本植えるだけで植栽の雰囲気が大きく変わります。
また、比較的病害虫に強く、乾燥にも耐えるため、慣れてしまえば手間の少ない庭木として長く楽しめます。花には蜜が多く、地域によってはハチや小鳥を呼ぶ庭づくりにも貢献します。
一方、注意点としては、過湿と低温への弱さが挙げられます。特に梅雨時から夏の多湿環境では根腐れや蒸れを起こしやすく、排水のよい土づくりと風通しを十分に確保する必要があります。
また、肥料の与えすぎやリン酸過多は根を傷める原因となるため、一般的な庭木の感覚で多肥にしないことがポイントです。地域の冬の最低気温を確認し、寒さが厳しい地域ではマルチングや防寒資材での保護も計画しておくと安心です。
代表的なグレビレアの種類と特徴

グレビレアには数多くの園芸品種がありますが、日本の庭で実際に流通し、地植えにも使いやすい代表的な種類にはいくつかの傾向があります。特に人気なのは、赤やピンク系の華やかな花を持つ中低木タイプや、細かい葉を持つシルバーリーフのコンパクトタイプです。
ここでは、地植え向きの代表的な種類を中心に、樹高、葉の特徴、花色、開花期、おおよその耐寒性を整理し、選びやすく解説します。
品種によっては流通名と学名や英名が異なることも多く、園芸店での表記も一定ではありません。そのため、見た目の特徴と育ち方の傾向を理解しておくと、ラベル表記が多少違っていても、自分の庭に合う品種を選びやすくなります。
なお、以下で紹介する耐寒性は、土壌条件や植え付け場所、防寒の有無によっても変動する目安ですので、地域の実際の気温と合わせて判断してください。
人気の庭木向き品種(ロビンゴードンなど)
グレビレア・ロビンゴードンは、日本で最もポピュラーな品種の一つです。赤からピンクのグラデーションが美しい花が特徴で、温暖地ではほぼ周年に近い長い期間、次々と花を咲かせます。樹高は2メートル前後まで育つことがあり、こんもりと茂るので、花木としての存在感も十分です。
葉は細長く、やや光沢のある緑色で、密に茂るため目隠しや軽い生け垣的な使い方にも向きます。
耐寒性は概ねマイナス3〜4度程度が目安とされ、暖地から中間地の霜よけされた場所なら地植えも可能です。ただし、寒風が直接当たると枝先が傷みやすいため、建物の南側や塀沿いなど、風を避けられる場所を選ぶと安心です。
他にも、ジ・エレガンスやスーパーバイオレットなど、中低木で花付きの良い系統が庭木としてよく利用されます。いずれも強い直射日光を好み、日当たりの良い場所ほど花付きが良くなります。
コンパクトに育つ低木・グラウンドカバー系品種
スペースが限られた庭や、前景の植え込みとして使いやすいのが、コンパクトタイプのグレビレアです。例えば、グレビレア・ラニゲラ系統は、ほふく性や低木性の品種が多く、樹高30〜60センチ程度で横に広がるように育ちます。
細かい葉が密に茂り、枝が地面を這うように伸びるため、法面の土留めや、花壇の縁取り、ロックガーデンのグラウンドカバーとして重宝します。
花は小ぶりながらも、ピンクや赤、白などのかわいらしい色合いで、冬から春にかけてよく咲く品種が多いです。耐寒性は品種によりますが、マイナス5度前後まで耐えるとされるものもあり、排水の良い場所であれば比較的安心して地植えできます。
樹勢が強く、放任すると横にかなり広がるタイプもあるため、必要に応じて枝先を切り戻し、形を整えると美しいクッション状のシルエットを保てます。
寒さに強い品種と寒冷地での選び方
グレビレアの中には、比較的寒さに強いとされる種類も存在します。たとえば、グレビレア・ロスマリニフォリア系や、一部のラニゲラ系統は、条件が良ければマイナス7度前後まで耐えるとの報告もあり、関東内陸部や東北南部の比較的暖かい地域での地植え実績もあります。
ただし、いずれも共通しているのが、水はけの良い土と冬場の過湿回避が重要という点です。
寒冷地でグレビレアを地植えにする場合は、次のようなポイントで品種を選びます。
- 耐寒性の表記が明確な品種を選ぶ
- 細葉で樹勢が強すぎない低木タイプを優先する
- 苗の段階から徐々に寒さに慣らす
これに加え、吹きさらしを避けた南向きの壁際や、他の常緑樹の手前など、冷気だまりになりにくい場所を選ぶと、越冬の成功率が高まります。
主な品種の比較表
代表的なグレビレア品種を、地植えを検討する際に役立つよう簡単に比較します。
| 品種名 | おおよその樹高 | 花色 | 主な開花期 | 耐寒性の目安 | 地植え適性 |
|---|---|---|---|---|---|
| ロビンゴードン | 1.5〜2m | 赤〜ピンク | ほぼ周年(主に春〜秋) | 約−3〜−4度 | 暖地〜中間地向き |
| ラニゲラ系 | 0.3〜0.6m | ピンク・赤など | 冬〜春 | 約−5度前後 | 暖地〜一部寒冷地 |
| ロスマリニフォリア系 | 1〜1.5m | 黄〜クリーム | 春中心 | 約−7度前後 | 中間地〜一部寒冷地 |
| スーパーバイオレット等 | 1〜1.5m | 赤紫 | 春〜秋 | 約−3度前後 | 暖地向き |
グレビレアを地植えにするための環境づくり

グレビレアを健康に長く楽しむためには、苗を植える前の環境づくりが何より重要です。適切な場所選びと土づくりができていれば、その後の管理はぐっと楽になります。
特に、日照条件と土の排水性はグレビレアの生育を大きく左右します。日が当たらない、もしくは雨水がたまりやすい場所では、どうしても徒長や根腐れを起こしやすくなり、花付きも悪くなります。
また、風通しの良さも見逃せないポイントです。オーストラリアの原生地では、強い日差しとともに風がよく通る乾いた環境が一般的です。日本の高温多湿な夏場でも同様の条件に近づけることで、病気や蒸れによる枯れ込みを防ぎやすくなります。
ここでは、日当たり、風通し、土づくり、植え付け場所の具体的な選び方について解説します。
日当たり・風通しの条件
グレビレアは総じて日光を好む植物で、地植えにする場合は、年間を通じてよく日が当たる場所を選ぶのが基本です。少なくとも半日以上は直射日光が確保できる環境が理想で、日照不足になると枝がひょろひょろと伸びて倒れやすくなり、花付きも極端に落ちます。
特に開花を十分に楽しみたい場合は、南〜南西向きの明るい場所を確保することを心がけてください。
同時に重要なのが風通しです。風がよく抜ける場所では、葉や枝が早く乾き、カビや細菌性の病気が発生しにくくなります。生け垣や壁際に植える場合でも、風が全く通らない密閉的な空間は避けた方が無難です。
ただし、寒冷地や冬の北風が強く当たる場所では、風通しの良さと防風のバランスが大切になります。この場合は、冬季だけ寒風を遮るネットや簡易フェンスを併用する方法も有効です。
土質と水はけの改善方法
グレビレアは、軽くて水はけのよい土を好みます。粘土質で重い土や、雨の後になかなか水が引かない場所では、根が酸欠を起こし、根腐れや生育不良につながります。
地植え前には、植え穴を広めに掘り、元の土に軽石砂、パーライト、川砂、腐葉土などを混ぜて、ふかふかで排水性の高い土質に改善しましょう。特に粘土質の強い土壌では、軽石や砂を多めに混ぜると効果的です。
また、低地で水がたまりやすい庭では、地面より少し高い位置に土を盛って「高植え」にすることで、根が常に湿った状態になるのを防げます。
土壌改良を行う際は、牛ふん堆肥などリン酸を多く含む有機肥料を大量に混ぜ込むのは避け、腐葉土やバーク堆肥など、比較的穏やかな改良材を中心に使うと安心です。肥料分は後述するように、植え付け後も控えめに与えるのが基本となります。
植え付け場所の選び方とレイアウト
グレビレアをどこに植えるかは、見栄えと管理のしやすさの両面から考える必要があります。中高木タイプは、庭の背景や境界線沿いに植えることで、花と常緑の葉を活かしたボーダーとして機能します。低木タイプやほふく性の品種は、手前のボーダーやロックガーデンの縁取りとして、美しいラインを作ることができます。
また、周年開花に近い品種は、玄関回りやアプローチ沿いなど、日常的に目に入りやすい場所に植えると、長く楽しめます。
レイアウトの際には、将来の樹高と株張りを想定し、周囲の植物や建物との距離を適切に確保することが大切です。ロビンゴードンなどは成木で2メートル近くに達することを見越し、少なくとも他の樹木や壁から50センチ〜1メートル程度離して植えると、剪定やメンテナンスもしやすくなります。
また、寒さが気になる地域では、できる限り南向きの壁際や、石組みの近くなど、蓄熱性のある構造物のそばを選ぶと、冬の冷え込みをやわらげる効果が期待できます。
グレビレアの地植え具体的な育て方(年間管理)
環境づくりが整ったら、次は実際の植え付けと年間を通した管理方法です。グレビレアは、一度根付けば比較的手がかからない植物ですが、植え付け初年度から2年目までの管理が、その後の生長と耐寒性に大きな影響を与えます。
特に、植え付け時期の選択、水やりの頻度、肥料の与え方、剪定のタイミングは、失敗を防ぐうえで重要なポイントです。
ここでは、一般的な暖地〜中間地を想定しつつ、季節ごとに気をつけたい点を整理しながら、年間管理の流れを解説します。寒冷地の場合は、これらに加えて防寒対策を強化することで、より安全に冬越しさせることが可能です。
植え付け適期と手順
グレビレアの地植えに最も適した時期は、地域にもよりますが、一般的に春の暖かくなってから(4〜5月)か、秋の残暑が落ち着いた頃(9〜10月)です。特に寒冷地では、春植えの方が根が十分に張る時間を確保できるため、安全性が高いといえます。
真夏や厳冬期の植え付けは、苗へのストレスが大きく、根付きが悪くなるため避けた方が無難です。
手順としては、まず苗の根鉢の2倍程度の直径と深さの植え穴を掘り、掘り上げた土に軽石、川砂、腐葉土などを混ぜて水はけを改善します。植え穴の底には、未熟な堆肥や多量の肥料を直接入れないよう注意し、軽く耕して柔らかくしておきます。
ポットから抜いた苗の根を崩し過ぎないようにそっと扱い、高さが周囲の地面と同じか、やや高くなるように植え付けます。その後、株元を軽く踏み固め、たっぷりと水を与えて土と根を密着させます。
水やりと乾燥管理
地植え後の水やりは、根付くまでは特に重要です。植え付け直後から1〜2週間程度は、土の表面が乾いたらしっかりと水を与え、極端な乾燥を避けます。その後、根が広がってくると、グレビレア本来の乾燥に強い性質が発揮されるため、基本的には自然降雨に任せ、長期間雨が降らない場合のみ補水する程度で構いません。
常に湿った状態が続くと根腐れの原因となるため、水の与えすぎには十分注意します。
夏場の高温期には、土の表層が急激に乾燥しやすくなりますが、株元をマルチング資材(バークチップ、落ち葉など)で覆うことで、急な乾燥と地温の上昇をやわらげることができます。ただし、株元を厚く覆い過ぎると逆に過湿を招くことがあるため、通気性を意識しつつ適度な厚みにとどめることが大切です。
鉢植えと異なり、地植えでは「やや乾かし気味」が基本になることを覚えておきましょう。
肥料の与え方と注意点(リン酸過多に注意)
グレビレアは、栄養分の乏しい土壌に適応してきた植物であり、一般的な庭木に比べて多くの肥料を必要としません。特に注意したいのがリン酸過多で、リン酸を多く含む肥料を頻繁に与えると、根がダメージを受け、生育不良や枯死につながることがあります。
そのため、化成肥料を使用する場合は、低リン酸タイプやオージープランツ向けに調整されたものを、少量だけ与えるのが安心です。
施肥のタイミングは、春の新芽が動き出す前(2〜3月頃)に、株元から少し離した場所に軽くばらまき、土と軽くなじませる程度で十分です。肥料を全く与えなくても育つ場合も多いため、生育が明らかに悪い、葉色が極端に薄いといった様子がなければ、控えめを基本としてください。
有機肥料を使う場合も、リン酸分の高い骨粉入り肥料などは避け、少量を年1回程度にとどめて様子を見るのが無難です。
剪定と樹形づくり
グレビレアは、剪定に比較的強い品種が多く、適切な剪定によって樹形を整えたり、花芽を多くつけさせたりすることが可能です。基本となるのは、花が一段落したタイミングで、伸びすぎた枝や乱れた枝先を軽く切り戻す「弱剪定」です。
特にロビンゴードンなど中高木タイプは、放任すると枝が暴れて倒れやすくなるため、年に1〜2回、外側に伸びた枝を内側に誘導するイメージで切り戻すと、こんもりとした美しい株姿を維持できます。
強い切り戻しを行う場合は、真夏や真冬を避け、春か秋の穏やかな時期に行います。ただし、一度に全体の大半を切り詰めると株への負担が大きいため、数年かけて段階的に整えていくのが安全です。
また、古くなって枯れ込んだ枝や、病気・害虫の被害を受けた枝は、見つけ次第早めに根元から切り取ることで、風通しの良い健全な樹体を保ちやすくなります。
冬越しと防寒対策
グレビレアの耐寒性は品種により差がありますが、多くの園芸品種は霜や凍結に対して完全な耐性があるわけではありません。暖地であっても、植え付けて間もない若木は寒さに弱いため、冬越し初年度は特に注意が必要です。
地植えの場合、株元に敷きわらやバークチップを厚めに敷いてマルチングし、根の凍結を防ぐとともに、寒風が直接当たらない場所を選ぶことで、かなりリスクを軽減できます。
寒冷地では、さらに不織布や寒冷紗を用いて株全体を覆う、支柱を立てて簡易的な囲いを作るなどの物理的な防寒が有効です。これにより、冷たい風と放射冷却による急激な温度低下から枝や葉を守ることができます。
春になり、遅霜の心配がなくなったら、徐々に覆いを外して日差しと風に慣らしていきます。毎年の冬越しを繰り返す中で、株が充実してくると耐寒性も相対的に高まり、少々の寒さでは傷みにくくなっていきます。
失敗しやすいポイントとトラブル対策

グレビレアは一見丈夫そうに見えるものの、日本の気候や一般的な庭木の管理方法と合わない点がいくつかあり、そこを理解せずに育てると、突然枯れ込んだり、花が咲かなくなったりしやすい植物です。
特に、過湿、過肥、急な温度変化は、代表的なトラブル原因として知られています。ここでは、地植えでよくある失敗例と、その予防策・対処法を整理します。
トラブルが発生した際には、枝葉だけでなく、土の状態や水やりの履歴、肥料の有無など、管理全体を振り返ることが重要です。原因を特定し、適切に対処することで、株を回復させられる場合も少なくありません。
根腐れ・立ち枯れを防ぐポイント
地植えのグレビレアで最も多いトラブルが、根腐れや立ち枯れです。葉が急にしおれて茶色くなり、枝先から枯れ込みが進む場合、多くは根がダメージを受けています。この背景には、排水の悪い土や、長期にわたる過湿、雨の多い時期の水やり過多などが関わっています。
特に梅雨時から夏にかけては、土壌中の酸素が不足しやすく、根が窒息状態に陥りやすいため注意が必要です。
予防のためには、前述の通り排水性の高い土づくりと、高植えによる水はけの確保が基本となります。すでに植えてある株で土の状態が悪い場合は、株周りの土を一部すき取って軽石や砂を混ぜる、周囲に浅い溝を切って余分な水を逃がすなど、小規模な改善でも効果があります。
立ち枯れが進行している場合は、枯れた枝を切り戻し、過湿をしっかり解消した上で様子を見ますが、重度の根腐れでは回復が難しいことも多いため、早期の対応が重要です。
葉焼け・凍害・強風害の対処
グレビレアは日光を好みますが、急激な環境変化には弱い一面があります。急に強い直射日光に当てると葉焼けを起こし、葉が白く抜けたようになったり、茶色くパリパリになったりすることがあります。特に、日陰で育てられていた苗を、いきなり強い日差しの地植えに移すときには注意が必要です。
この場合、植え付け直後は寒冷紗などで遮光し、徐々に日光に慣らしていくことでトラブルを防げます。
冬場には、低温だけでなく強風による乾燥や凍害にも気を配る必要があります。冷たい北風が吹き付ける場所では、葉が褐色化し、枝先が枯れ込むことがあります。これを防ぐには、防風ネットの設置や、風下になる位置への植え付けが有効です。
凍害が見られた枝は、春になってから生きている部分まで切り戻すことで、新芽の展開を促せます。ただし、被害状況の判断が難しい場合は、十分に暖かくなるまで様子を見てから剪定する方が安全です。
花が咲かない・生育が悪いときのチェックポイント
グレビレアが思うように花をつけない場合、まず見直したいのが日照と剪定のタイミングです。日照不足では、そもそもの花芽形成が弱くなり、枝ばかり徒長してしまいます。周囲の樹木が成長することで陰になってしまったケースも多いので、日当たりの変化を確認してください。
また、花芽がついている枝を、開花前に強く切り詰めてしまうと、その年の花が大幅に減ってしまいます。
生育が悪く、全体的に元気がない場合は、根の状態と肥料の与え方もチェックします。水はけが悪くないか、過湿はないかを確認し、必要に応じて排水改善を行います。肥料に関しては、過不足どちらも問題になり得ますが、グレビレアの場合は過肥の影響が出やすいため、まずは肥料を控え、土壌の状態を整えることを優先すると良いでしょう。
それでも改善が見られない場合は、品種と地域の気候が根本的に合っていない可能性もあるため、より耐寒性の高い品種への植え替えも検討材料になります。
まとめ
グレビレアは、多彩な種類と個性的な花姿を持つ魅力的な花木ですが、日本の庭で地植えする際には、いくつかのポイントを押さえる必要があります。まず重要なのは、品種選びです。樹高や耐寒性、樹形の違いを理解し、自分の庭のスペースと地域の気候に合った種類を選ぶことで、失敗のリスクを大きく減らせます。
特に、ロビンゴードンのような人気種から、ラニゲラ系・ロスマリニフォリア系など、用途に応じた選択肢を把握しておくと計画が立てやすくなります。
次に、環境づくりと年間管理です。日当たりの良い場所を選び、水はけの良い土づくりを徹底すること、過湿と過肥を避けること、そして地域の冬の寒さに応じた防寒対策が、地植え成功のカギとなります。植え付け適期を守り、植え付け初年度〜2年目まで丁寧に管理すれば、その後は乾燥にも強く、比較的手間のかからない庭木として長く楽しめます。
グレビレアの特性を理解し、種類と育て方を工夫することで、日本の庭でも地植えで十分にその魅力を引き出すことができます。ぜひ、自分の庭に合った一株を見つけて、四季を通じて変化する姿を楽しんでください。